そしてそれらは大きくは二種類に分けることができます。一つはドーム型ツィーターに代表されるボイスコイルを使用したもの、そしてもう一つはボイスコイルを使用していないものになります。皆さんもご存じのとおり、スピーカーシステムには低域と高域を分ける、クロスオーバーネットワークが搭載されています。そしてウーハーの高域を減衰させる素子として、コイルが使用されています。しかしながら高域を再生しなければならないツィーターに、高域を減衰させてしまうボイスコイルが搭載されているということは、一種の欠陥製品であるといえるかもしれません。コイルの特性は、高い周波数になるにしたがってインピーダンンスが上昇していくことにあります。実はこのインピーダンスの上昇=抵抗の増大、によって高い周波数がカットされるという仕組みとなっています。しかし一番の問題は、インピーダンスの上昇に伴って位相がどんどん遅れてしまうことにあります。人間の耳は先に届いた音には感度が高く、そして遅れてきた音には感度が低い、といった特性を持っています。したがってボイスコイルを持ったツィーターは、音楽に含まれる倍音の忠実な再現性に乏しく、簡単にいうとボケた音になってしまうということがあげられます。そしてその事にいち早く気付いたメーカーがありました。それは米国のBBE(バーカスベリーエレクトロニクス)社であり、遅れた高域の位相を進めることができる、というソニックマキシマイザーという製品を完成させました。実際には位相を進めるということは不可能なので、中域と低域の位相を遅らせることによって、高域との位相を整合させる仕組みとなっています。そしてそのプロセッサーの威力は絶大で、楽器のひとつひとつが明確に分離してリアルに浮かび上がり、そして埋もれていた音まで聴こえるようになり、また音楽の生々しさがよみがえる、という効果を発揮します。結論として、以上のようなプロセッサーを使用することなく、シャキッとした鮮明なサウンドを実現するために、ボイスコイルを使用しないツィーターの採用をお薦めいたします。そしてそれらは、平面磁界型やAMTハイルドライバー、そしてリボン型等になります。By Red Moon Music