三電機QTR-73.5／７MHzA3真空管７球トランシーバー動作品 ＜このQTR-7は＞ 東京、大田区にあった三電機から発売された3.5／7MHzの2バンドAM、７球式トランシーバーで、ほぼ発売当時の状態を保っています。CQ誌で見るかぎり、1959年8月号のビギナース・セクション頁の小さい広告が初出で、日本のメーカーによる戦後のハム用トランシーバーとしては「第１号・最古」の製品と思われます。ただ、当時は大小のメーカーや販売店が各地にあり、広告を打たずに一部地域のみで、製作＆発売されたトランシーバーが存在したかは不明です。 受信部は6BE6、6BA6を使用した標準型の5球スーパー、送信部はファイナルが6BQ5、AF出力管の6BQ5を兼用にしたハイシング変調となっています。 現状は＞ ・受信は3.5MHz～10.150MHzのハムバンドまでカバーできます。感度はまずまずで、屋外に設置した12メートル長の短縮ダイポールで受信し、外部BFOを使用すると、SSBのQSOも復調できます。ハムは出ていますが、入力信号があればほとんど気にならないレベルです。出品にあたり毎日1～2時間の受信を1週間続けて、特に異常はありませんでした。 ・送信出力は11ワットほど出ます。変調は、受信用VRと兼用のゲインつまみを最大にしてもやや浅く、現用トランシーバーのスコープで波形をモニターすると、目立つ歪みは見られません。 ・送受信とも乾いた高音が出ています。ダミーロードを使用し、シャックと別の階とでモシモシのやりとりができました。ローカル局とのQSOには使えるくらいのレベルかと…hi。・シャーシ上の錆びは安定していて、これ以上の進行はないと思います。 ・パネル面の塗装はオリジナルですが、写真はきれいに写りすぎで、塗装むらや剥がれなどがあります。ケースは再塗装してありますが、やや明るすぎでした。ケース内側の色がオリジナルで、灰色系のラッカーを１メートルくらい離してスプレーすると、オリジナルの灰色に近づきます。 ・チューブチェッカーの測定では７本の使用球すべてが、100目盛りに近い80～87のグリーンゾーンを示してFBです。なお本機のIFには6BD6の代わりに6BA6、整流には5Y3の代わりに6CA4が使われています。 本機の修理履歴など＞ 私は２代目オーナーで、20年ほど前に大田区在住のOMから動作品を入手、以来シャックでコレクションにし、年に数回、通電していました。 ・私の入手時に特に調整はしていません。IFTのコアも固定用塗料が出荷状態のまま残っており、今後は各段の再調整、CR類の交換などは必要になると思われます。 ・スピーカーのコーン紙の破れが大きくなり、秋葉原でオリジナルとまったく同型のものを見つけられたので交換しました。 ・ACラインの黄色いコンデンサ２個がリークしており片側をカットしたまま取り付けてあります。 付属品は＞ 本機の回路図が載った当時の解説記事のコピーがあります。 発送など＞ 本機の重量は約７㎏、梱包済みの重量は約10㎏、3辺の合計は100サイズ、ゆうパックまたは宅急便の着払いでお送りします。輸送中の事故または本機に私の気づかない致命的な故障があった場合は、１週間以内でのお引き取りをいたします。その場合はおそれいりますが返送料はご負担ください。いたずら入札防止のため、新規IDの方の入札はお受けできませんので、ご容赦ください。